ギャップフィラーやフェイズチェンジマテリアル(PCM)は、TIM(Thermal Interface Material)の中でも 特に実装現場での依存度が高い材料群です。これらの特性評価、特に熱伝導率の測定は一見シンプルに見えますが、 製品形状や状態変化の影響を強く受けるため、測定条件の最適化と測定装置の精度が極めて重要となります。

1. 一般的な測定方法:定常法(Steady-State Method)

ギャップフィラーやPCMは通常、定常法を用いて熱伝導率が評価されます。定常法は熱流と温度差が安定した状態で熱伝導率を測定する手法であり、TIM材料の特性評価に広く利用されています。しかし、これらの材料特性に起因して、注意深く測定をしないと精度に課題が生じることがあります。

2. 厚み変動に起因する熱抵抗変化

ギャップフィラーおよびPCMは、圧縮率が高く厚みが変動しやすいという特徴があります。このため、同一材料であっても試料厚さに応じて熱抵抗が大きく変化します。
通常の定常法では、十分な温度差が得られない場合、測定精度が低下するという問題が発生します。

  • 厚みが厚すぎる → 熱抵抗が大きくなるため熱流が小さくなり熱流測定誤差が拡大しやすい。
  • 厚みが薄すぎる → 厚み測定分解能不足しやすい。温度差が小さくなり温度測定精度低下しやすい。

そのため、適切な試料厚さ、荷重条件、測定温度を吟味することが不可欠です。測定条件を適正化しないまま得られた値は、測定精度が低下する可能性があります。

3. 測定装置ごとの精度差:温度測定・厚み測定の分解能が鍵

同じ定常法であっても、メーカーごとに構造やセンサ技術が異なるため、以下の要素によって結果が大きく左右されます。

  • 温度測定の分解能・安定性
  • 厚み測定の精度(μmオーダーの制御能力)
  • 熱流計や治具の平面度・剛性
  • 制御系の再現性

中には、カタログに掲載されている熱伝導率測定精度が実際の装置性能を必ずしも反映しておらず、「チャンピオンデータ」が記載されている例も散見されます。そのため、どの装置で測定されたデータなのか測定条件は適切かを見極めることは、TIM評価を行う企業にとって極めて重要です。

4. 正確な測定が可能な装置の選定

ギャップフィラーやPCMのように厚み変動や相変化を伴う材料の場合、通常の定常法装置では再現性や信頼性の高いデータ取得が難しいケースがあります。
その中で、ベテル社の定常法測定装置「TIMマスターは、温度測定精度、厚み制御、熱流安定化構造において極めて高い性能を有しており、実際の材料特性を忠実に反映した“真の値”を取得できる装置として評価されています。

  • 高精度厚み制御
  • 温度差を安定的に確保する高信頼性ヒータ/冷却ユニット
  • 変形しやすい柔軟材料に対する最適な圧縮制御
  • 熱流及び温度測定精度の高さ(材料に合わせた測定条件の変化に強い)

ギャップフィラー/PCMの定常法評価において、上記性能を満たす装置は限られているため、測定結果の信頼性を確保するうえで、装置の選定は極めて重要です。

5. まとめ

ギャップフィラーおよびPCMの熱伝導率測定は、材料の特性上、適切な測定条件の設定と高精度な測定装置が不可欠です。

  • 厚み変動により熱抵抗が大きく変化
  • 試料が薄い場合に厚み測定精度が不足しがち
  • 温度差が十分得られないと精度低下
  • 装置ごとの性能差により測定結果が大きく変わる
  • 装置のカタログ仕様は理想条件で得られた測定精度も存在

信頼性の高いデータを得るためには、測定条件の適正化と、高精度測定が可能な装置の選定が重要となります。ベテルの「TIMマスター」は、これらの要求を満たす装置として、TIM材料の研究開発・品質保証部門に最適です。

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