ベテルでは、これまで熱流計法による定常法熱伝導率測定装置の販売および依頼測定を行ってまいりました。
このたび、新たにメーターバー方式(傾斜法)の熱伝導率測定装置をラインナップに追加いたしました。
本装置は、試料サイズ□10mm に対応しており、開発段階で大きな試料を作成できない場合にも有用です。さらに、TIM(Thermal Interface Material)向け規格 ASTM D5470 にも準拠しています。
測定結果例
まずはジルコニアです。
他のトレーサビリティの取れた測定法により、基準値を3.13 W/mKと設定しました。
今回、厚みt = 1mm、2mm、3mmの試料を測定し、接触熱抵抗の影響を補正しました。
その結果、補正後の平均値は 3.04 W/mKであり、基準値に対して2.9%低い値でした。十分に小さな誤差といえます。
続いて、市販の熱伝導グリース(メーカー非公開)を測定しました。
グリースは厚みを自在に調整できるため、測定部の間隔を **t = 0.05mm、0.1mm、0.15mm、0.2mm** に設定して評価しています。
補正後の平均値は 0.66 W/mKとなり、汎用的なグリースとして妥当な値が得られました。
この結果から、本装置がペースト状・グリース状材料の測定にも有効であることが確認できました。
