あまり聞きなれない熱浸透率という言葉ですが、
実は、とても重要な熱物性値の一つです。
ベテルの熱物性測定装置の一つであるサーマルマイクロスコープTM3で測定される物性値は熱浸透率です。TM3ではなぜ熱浸透率が得られるのでしょうか?
お客様に、
「サーマルマイクロスコープTM3は、最終的な結果として『熱浸透率』を出力します。」
と説明するのですが、大抵の場合は
「『熱浸透率』って何??」
という反応をされます。
無理もない事で、一般的に高校や大学の教科書に載っているのは、
熱伝導率と熱拡散率です。
◇ 熱浸透率ってなに?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「物が他の物と接触しているときに熱を奪い取る力」 を意味します。
たとえば、寒い日に金属を触ったときに冷たく感じるのは、
熱浸透率の大きな「金属」に、熱を奪われているからです。
一方、木製の物やプラスチック製品を触っても、金属ほど冷たく感じないのは、
「木」や「プラスチック」の熱浸透率が、金属よりも小さいからです。
熱浸透率の高いものほど、手で触れた時に冷たく感じるということです。
逆に、暑い夏にシートベルトの金具に触れると火傷しそうなくらい熱く感じるのも同じ理由です。
(シートも同じ温度のはずですがそこまでではありません。)
◇ 熱浸透率を他の物性値へ換算
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
お客様のほとんどは『熱伝導率』の測定を希望されますが、
『熱浸透率』、『比熱』、『密度』がわかれば、
『熱伝導率』や『熱拡散率』を計算することができます。
◇ 熱浸透率の測定原理
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
他によく質問されるのが、熱浸透率の「測定原理」です。
サーマルマイクロスコープTM3での、熱浸透率測定の手順は以下の通りです。
1.試料表面にMo膜を成膜します。
2.加熱レーザでMo膜を周期加熱します。
3.検出レーザを、加熱レーザと同軸に照射します。
Moの反射率は温度により変化する性質があるので、
加熱レーザと同軸に照射した検出レーザの強度変化は周期的になります。
4.加熱レーザの波形の位相と検出レーザの反射波形の位相の差から、
熱浸透率を算出します。
熱浸透率が大きい試料の場合、
Mo膜の熱を多く奪い取るので、Mo膜の温度変化が少なくなります。
すると、加熱レーザの位相と検出レーザの反射波形の位相の差が小さくなります。
逆に熱浸透率が小さい試料の場合は、位相の差が大きくなります。
◇ 最小分解能はなんと3μm!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
サーマルマイクロスコープTM3でおこなう、分解能3μmという微小領域の測定は、
今のところ他の装置ではできません。
微小領域を測定したい方の、一番の悩みどころは「分解能」かと思います。
お悩みを解決したい方は、ぜひ一度ベテルにご相談ください。
今回の記事は、2014年08月31日
実は、とても重要な熱物性値の一つです。
ベテルの熱物性測定装置の一つであるサーマルマイクロスコープTM3で測定される物性値は熱浸透率です。TM3ではなぜ熱浸透率が得られるのでしょうか?
お客様に、
「サーマルマイクロスコープTM3は、最終的な結果として『熱浸透率』を出力します。」
と説明するのですが、大抵の場合は
「『熱浸透率』って何??」
という反応をされます。
無理もない事で、一般的に高校や大学の教科書に載っているのは、
熱伝導率と熱拡散率です。
◇ 熱浸透率ってなに?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「物が他の物と接触しているときに熱を奪い取る力」 を意味します。
たとえば、寒い日に金属を触ったときに冷たく感じるのは、
熱浸透率の大きな「金属」に、熱を奪われているからです。
一方、木製の物やプラスチック製品を触っても、金属ほど冷たく感じないのは、
「木」や「プラスチック」の熱浸透率が、金属よりも小さいからです。
熱浸透率の高いものほど、手で触れた時に冷たく感じるということです。
逆に、暑い夏にシートベルトの金具に触れると火傷しそうなくらい熱く感じるのも同じ理由です。
(シートも同じ温度のはずですがそこまでではありません。)
◇ 熱浸透率を他の物性値へ換算
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
お客様のほとんどは『熱伝導率』の測定を希望されますが、
『熱浸透率』、『比熱』、『密度』がわかれば、
『熱伝導率』や『熱拡散率』を計算することができます。
◇ 熱浸透率の測定原理
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
他によく質問されるのが、熱浸透率の「測定原理」です。
サーマルマイクロスコープTM3での、熱浸透率測定の手順は以下の通りです。
1.試料表面にMo膜を成膜します。
2.加熱レーザでMo膜を周期加熱します。
3.検出レーザを、加熱レーザと同軸に照射します。
Moの反射率は温度により変化する性質があるので、
加熱レーザと同軸に照射した検出レーザの強度変化は周期的になります。
4.加熱レーザの波形の位相と検出レーザの反射波形の位相の差から、
熱浸透率を算出します。
熱浸透率が大きい試料の場合、
Mo膜の熱を多く奪い取るので、Mo膜の温度変化が少なくなります。
すると、加熱レーザの位相と検出レーザの反射波形の位相の差が小さくなります。
逆に熱浸透率が小さい試料の場合は、位相の差が大きくなります。
◇ 最小分解能はなんと3μm!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
サーマルマイクロスコープTM3でおこなう、分解能3μmという微小領域の測定は、
今のところ他の装置ではできません。
微小領域を測定したい方の、一番の悩みどころは「分解能」かと思います。
お悩みを解決したい方は、ぜひ一度ベテルにご相談ください。
今回の記事は、2014年08月31日
https://blog.thermal-measurement.info/archives/52061322.html
を加筆修正したものとなります。
を加筆修正したものとなります。