もうすぐ梅雨明けですね。
夏になると気になるのがスマートフォンの発熱です。
スマートフォンはノートパソコンやデスクトップパソコンと異なり、
空冷用のファンを内蔵することができません。(一部のゲーミングスマホを除く。)
従って、外部に熱を逃がすのは、固体の熱伝導かヒートパイプのようなものを使わなければなりません。
具体的には、スマホはもともと温度が上がりにくいように放熱のための設計がされていまして、サーマルインターフェースマテリアル、熱伝導シート、ベイパーチャンバー等を使って発熱する部分から外部に熱が伝わるような放熱設計がされています。また、ポケットに入れたり肌に触れるようなシチュエーションもあるので、局所的に温度が上がらないような工夫がされています。
発熱すると、動画が遅くなる、消費電力が増えるなどの問題が発生します。
発熱を放置しているとバッテリーの寿命にも影響があるかもしれません。
実際にスマートフォンの発熱を赤外線カメラで観察してみましょう。
充電なし、動画再生無しの状態です。
赤い点がホットスポットです。右側の充電用のケーブルを指す側が33.4℃と高めになっています。
他の部分は31.5℃~33℃になっています。
続いて充電あり、動画再生ありの状態です。
充電のケーブルをつないで、5分くらいYouTube動画を再生しました。
今度は赤い点(ホットスポット)が左側に移動して、34.4℃に上がりました。
他の部分も32.3℃~34.2℃と上昇しています。
短時間で結構上昇しますね。
それでは、スマホが発熱した場合の対策、或いは発熱しにくくなる対策をご紹介しましょう。
(1)使いながら充電しない。
一番良くない使い方は、使いながら充電することです。
バッテリーも発熱し、CPUなども一緒に発熱しますので二重に聞いてきます。
(2)ケースを取り外す。
ケールは通常プラスチック製だと思います。
プラスチックの熱伝導率は低いので放熱の妨げになります。
金属のケースでも、スマホの筐体と金属のケースがしっかり熱的に接触していなければ、
放熱の妨げになる可能性があります。
(3)たまにしか使わないアプリを整理する。
ワーキングメモリーが圧迫されていると、
よく言われているように、冷蔵庫に入れたり保冷剤を貼り付けるのはやめたほうが良いと思います。
結露して、故障の原因になります。室温以下に冷却すると結露する可能性が高まります。湿度の高い夏だとなおさらですね。強制空冷の場合は、クーリングファンなどで冷却するぐらいなら良いと思います。
株式会社ベテルでは、スマホに使われる材料の熱伝導率測定だけでなく、
赤外線カメラや熱電対による温度測定も承っています。
気軽にこちらまでご質問ください。