グラファイトシートは、材料の面方向に非常に高い熱伝導率を持つ材料です。
室温では1000W/mK以上の熱伝導率です。銅の2倍から3倍以上の熱伝導率を持ちます。
ノートパソコンやスマートホンなどの電子機器の放熱用によく使われます。

今回は我々ベテルの熱拡散率測定装置である、
サーモウェーブアナライザーにより測定をしました。
実は、グラファイトシートの測定は難しく正確に測定できる装置は多くはありません。
我々ベテルの装置はJIS R 7240というJIS規格に準拠したグラファイトシートの測定が可能な唯一の装置です。

標準仕様の装置では低温の測定はできませんので、社内で保有するカスタム装置用いて-40℃~100℃で測定を行いました。
なお、比熱と密度は別の装置で測定して熱伝導率を求めています。

下のグラフは熱伝導率の温度依存性を測定した結果です。

GS_Fig1_J
図1.グラファイトシートの熱伝導率と熱拡散率の温度依存性


-40℃~0℃では熱伝導率が1400W/m・Kですが、
温度が上がると熱伝導率が低下し、100℃では、
1200W/m・Kまで下がっていることがわかります。

つまり、使用する温度で熱伝導率を測定しておかないと、
必要とする放熱効果が得られない可能性があるということです。

銅は室温で約400W/m・Kで、このグラファイトシートの3分の1以下ですが、
300℃になっても、380W/m・Kですので、
温度が上がっても熱伝導率がそれほど変わらないことがわかります。

適切な放熱設計を行うためには実際に使用する環境での熱伝導率を吟味して、
材料を適切に洗濯する必要があることがわかります。

当社では、各種材料の特殊環境での測定も可能です。
こちらのお問い合わせフォームまでいつでもご連絡ください。