定常法についての最後の回になります。

 

 前回ご紹介した熱流計法ですが、実用計測法ですので、いくつかの関連した手法があります。「熱流計」というセンサーを搭載しているものもありますが、熱伝導率が分かっている標準試料(標準板という)の両面に温度センサーを設置することで熱流計と同じ働きをさせます。平板比較法としてJIS A 1412-2の付属書Aに規定されています。

 
同様な考え方で、メーターバーとして熱伝導率が既知の純銅などを利用した方法も複数提案されています。TIMThermal Interface Material)向けの規格のASTMD5470では定常法の一形態としてメーターバーが使用された方法も記載されています。

 

 そのほか注意したいのが、断熱材の為に作られた規格・製品と、TIM等の比較的熱伝導率の高い材料の為に作られた規格・製品では、試料サイズや測定可能範囲が全く異なるので、測定したい材料に合わせた測定手法を選ぶことが非常に重要となってきます。