約1年ぶりに登場します、タゴーです。

去年末から、春にかけて装置製造と納品作業で大忙しでした。
とうとう、USAにも行ってまいりました。
初めてのUSAで緊張し、おまけに体調を崩し いろいろな人に助けて頂きました。
この場を借りて、お礼申し上げます。
「どうもありがとうございました。」

そして今年から来春もどうやら、そんな気配が。。。

さて、今回はある材料を測定したいと思います。
これです。
 

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ラジコンの部品で樹脂にカーボン繊維を混ぜて成型し、軽量化と強度UPができるCFRTPです。


よく見ると、表面上にモヤモヤしたムラが見えます。
これは、カーボン繊維が偏っているのではないでしょうか?

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分布を測定したいので、今回はサーモウェーブアナライザの最上位機種「TA35」を使います。
http://www.bethel-thermal.jp/specification/01/pdf/TA.pdf(カタログPDF)


ここから測定の準備に入ります。

この部品、このままでは厚すぎて 全く測定ができないので薄くしたいと思います。
どれくらいかというと、現状が3mmですので それを500μm以下に薄くします。

が、かなり頑張って目標手前の750μm。とりあえず測ってみます。



変な臭いがした。。。レーザーで焦げてしまいました。



再度、薄くします。今度は365μm。



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目標達成しましたので測定してみます。


測定箇所はここ。

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これなら・・・信号が取れました。



結果は、どうでしょうか。
 

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熱拡散のムラがあるようです。
これは、カーボン繊維の配向の影響が。。。

・・・ではなく、先程焦がしてしまった部分が熱拡散率の違いとなって見えています。
見た目は周囲への影響が少ないと思われましたが、周辺にも影響があったようです。

気を取り直しまして・・・
全体的に見ると、カーボン繊維の配向が右斜め上に揃っているのが見えます。


熱拡散率は、5か所測定の平均が、1.60 ×10-7 [m2s-1]という結果です。
(焦がしてしまった影響で物性値が変わってしまった事は否めませんが。)

次回は、失敗しないよう頑張ります。



(著:タゴー)