大阪ラボのカトチャンです。
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
新年最初のブログでは、
「サーモウェーブアナライザTA」について、あらためて紹介していきます。
https://hrd-thermal.jp/apparatus/ta.html
知っている方は知っているが、まだまだ知られていない
ハドソン研究所の目玉製品 「熱物性測定装置 サーモウェーブアナライザTA」。
その名の通り、『熱物性(熱拡散率)』を測定する装置です。
周期加熱放射測温法により、材料の『熱拡散率』を測定します。
機能を絞りこんだTA31/32から機能盛りだくさんのTA35まで
全部で4つのラインナップがありますが、
今回は最上位機種である「TA35」のご紹介をしていきます。
TA35の大きな特徴は3つです。
1. サンプル形状の自由度が高い。
まずは、TA35の試料台の様子からお見せしましょう。
※ 測定サンプルは、まだ設置されていません。
試料台の真ん中にリングが見えますね?
取り外した状態のものがこちらです。↓↓↓
リング中央には、穴が開いています。
このリング上にサンプルを置けば試料設置完了です。
穴の中央部に試料の測定したい点がかかっていれば、設置OKです。
試料設置後の状態 ↓↓↓
■ これは、OK!
※ 似てるけど海苔煎餅じゃありません!
■ こちらも、穴の中心部に試料がかかっているのでOK!
小さなサンプルを測定したい人のために、穴径を小さくしたバージョンもあります。
一番右の最も穴径が小さいリングが、小さい試料専用です。
穴径は、左からφ20mm・φ10mm・φ5mm。
通常は、端面の影響を避けるために、穴径φ20mmのリングを使用しています。
試料台リングの中央にかかるように試料が載せられれば良いので、
試料加工の手間が必要なく、準備がとても楽です。
(実際には、端面の影響を考慮する必要がありますが。)
2. 異方性のあるサンプルが測定できる。
一般的な熱物性測定装置は、試料に対して垂直(Z)方向のみを測定するのが一般的です。
(レーザーフラッシュ法とかですね。)
または水平(X)方向だけという装置もあります。
対して、サーモウェーブアナライザTA35は、
垂直(Z)方向と水平(XY)方向の両方向の測定が可能です。
方向を変えた連続測定が可能なので、セットしたら後は待つだけです。
測定に手間がかかりません。
加えて、同じ試料でXYZ方向が測定できるので、別々に試料を用意する必要がなく、
試料の用意にかかる手間を半分で済ませることができます。
なので、異方性材料(例えばグラファイトシートやTIM材など)を評価したい方には、
非常に有効な測定装置といえるかと思います。
異方性がありそうなサンプルは、まずは一度測定してみる事をお勧めします!
3. 局所的なバラつきが見える。
サーモウェーブアナライザTA35は、マッピング測定ができます!
垂直(Z)方向の連続測定を繰り返すことで、分布の評価をするのですが、
何故それが出来るのかというと、
「測定する際の加熱・検出領域が非常に局所的」 だからです!
(1点の測定領域は、φ500μm程度です。)
なので、サンプル内のバラつきを評価することが出来ます。
最近は、熱伝導を高めるために樹脂にフィラーを混ぜ込んだ材料が増えています。
材料を機械的に均一に混ぜたと思っていても、実は熱的に均一じゃないこともあります。
材料・配向・製法によって、熱的には均一になったり、ならなかったりします。
実際に作った時に、どのぐらいサンプル内でバラつきがあるのか?
目で確認できたら良いのに・・・ と思ったこと、ありませんか?
サーモウェーブアナライザTA35で評価すると、こんな画面で確認できます!
よく分からないという方は、カトチャンまでご連絡下さい!
訪問して説明をさせて頂きます。
https://hrd-thermal.jp/contact/
◇ - ◇ - ◇ - ◇ - ◇
と、ここまで説明しましたが、ちょっと良いことばかり書きすぎましたので、
測定ができないサンプルも一緒に挙げておきます。
測定できないサンプルに当てはまるかもしれない、という方でも、
あきらめずにご相談ください。
別の測定の提案や、測定可能にするための提案をさせていただきます。
こんな測定がしたい。こういう風に測定出来ないか?
というご希望・提案・質問でも何でも結構です!
まずは、わたくし「カトちゃん」まで、お問い合わせ下さい!
https://hrd-thermal.jp/contact/
(著:カトチャン)
新年最初のブログでは、
「サーモウェーブアナライザTA」について、あらためて紹介していきます。
https://hrd-thermal.jp/apparatus/ta.html
知っている方は知っているが、まだまだ知られていない
ハドソン研究所の目玉製品 「熱物性測定装置 サーモウェーブアナライザTA」。
その名の通り、『熱物性(熱拡散率)』を測定する装置です。
周期加熱放射測温法により、材料の『熱拡散率』を測定します。
■ 熱拡散率とは・・・
伝熱現象において、定常状態の温度勾配などを求めるときに用いられる物性値である。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%A9%E5%BA%A6%E6%8B%A1%E6%95%A3%E7%8E%87(wiki)
伝熱現象において、定常状態の温度勾配などを求めるときに用いられる物性値である。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%A9%E5%BA%A6%E6%8B%A1%E6%95%A3%E7%8E%87(wiki)
TA35 | TA33 | TA32 | TA31 | ||
---|---|---|---|---|---|
測定機能 | 測定対象 | 熱拡散率 | |||
測定範囲 | 0.1~1000 [×10-6m2s-1] | ||||
出力データ | 周波数、距離、振幅、位相、厚さ [TXT形式] | ||||
測定モード | 垂直方向 | ○ | ○ | - | ○ |
水平方向 | ○ | ○ | ○ | - | |
分布測定 | ○ | - | - | - | |
付属その他 | 温度変調ヒーター | オプション | オプション | - | - |
ピント調整 | AUTO | AUTO | 手動 | 手動 | |
制御・解析ソフトウェア | ○ | ○ | ○ | ○ | |
PC | ○ | ○ | ○ | ○ |
機能を絞りこんだTA31/32から機能盛りだくさんのTA35まで
全部で4つのラインナップがありますが、
今回は最上位機種である「TA35」のご紹介をしていきます。
TA35の大きな特徴は3つです。
- サンプル形状の自由度が高い。
- 異方性のあるサンプルが測定できる。
- 局所的なバラつきが見える。
1. サンプル形状の自由度が高い。
まずは、TA35の試料台の様子からお見せしましょう。
※ 測定サンプルは、まだ設置されていません。
試料台の真ん中にリングが見えますね?
取り外した状態のものがこちらです。↓↓↓
リング中央には、穴が開いています。
このリング上にサンプルを置けば試料設置完了です。
穴の中央部に試料の測定したい点がかかっていれば、設置OKです。
試料設置後の状態 ↓↓↓
■ これは、OK!
※ 似てるけど海苔煎餅じゃありません!
■ こちらも、穴の中心部に試料がかかっているのでOK!
小さなサンプルを測定したい人のために、穴径を小さくしたバージョンもあります。
一番右の最も穴径が小さいリングが、小さい試料専用です。
穴径は、左からφ20mm・φ10mm・φ5mm。
通常は、端面の影響を避けるために、穴径φ20mmのリングを使用しています。
試料台リングの中央にかかるように試料が載せられれば良いので、
試料加工の手間が必要なく、準備がとても楽です。
(実際には、端面の影響を考慮する必要がありますが。)
2. 異方性のあるサンプルが測定できる。
一般的な熱物性測定装置は、試料に対して垂直(Z)方向のみを測定するのが一般的です。
(レーザーフラッシュ法とかですね。)
または水平(X)方向だけという装置もあります。
対して、サーモウェーブアナライザTA35は、
垂直(Z)方向と水平(XY)方向の両方向の測定が可能です。
方向を変えた連続測定が可能なので、セットしたら後は待つだけです。
測定に手間がかかりません。
加えて、同じ試料でXYZ方向が測定できるので、別々に試料を用意する必要がなく、
試料の用意にかかる手間を半分で済ませることができます。
なので、異方性材料(例えばグラファイトシートやTIM材など)を評価したい方には、
非常に有効な測定装置といえるかと思います。
異方性がありそうなサンプルは、まずは一度測定してみる事をお勧めします!
3. 局所的なバラつきが見える。
サーモウェーブアナライザTA35は、マッピング測定ができます!
垂直(Z)方向の連続測定を繰り返すことで、分布の評価をするのですが、
何故それが出来るのかというと、
「測定する際の加熱・検出領域が非常に局所的」 だからです!
(1点の測定領域は、φ500μm程度です。)
なので、サンプル内のバラつきを評価することが出来ます。
最近は、熱伝導を高めるために樹脂にフィラーを混ぜ込んだ材料が増えています。
材料を機械的に均一に混ぜたと思っていても、実は熱的に均一じゃないこともあります。
材料・配向・製法によって、熱的には均一になったり、ならなかったりします。
実際に作った時に、どのぐらいサンプル内でバラつきがあるのか?
目で確認できたら良いのに・・・ と思ったこと、ありませんか?
サーモウェーブアナライザTA35で評価すると、こんな画面で確認できます!
よく分からないという方は、カトチャンまでご連絡下さい!
訪問して説明をさせて頂きます。
https://hrd-thermal.jp/contact/
◇ - ◇ - ◇ - ◇ - ◇
と、ここまで説明しましたが、ちょっと良いことばかり書きすぎましたので、
測定ができないサンプルも一緒に挙げておきます。
-
厚すぎるサンプル
サンプルの材質と測定方向によって、測定可能な厚みが変わります。 -
緻密な個体じゃないサンプル
これは、発泡体のようなサンプルです。
空気層が多く、熱拡散率測定ができません。
- 熱伝導率が高く、φ10mmより小さいサンプル
小さすぎて測定台に置けません。
また、熱伝導率が高く、端面の影響を受けるため、そもそも結果が出ません。
測定できないサンプルに当てはまるかもしれない、という方でも、
あきらめずにご相談ください。
別の測定の提案や、測定可能にするための提案をさせていただきます。
こんな測定がしたい。こういう風に測定出来ないか?
というご希望・提案・質問でも何でも結構です!
まずは、わたくし「カトちゃん」まで、お問い合わせ下さい!
https://hrd-thermal.jp/contact/
(著:カトチャン)