装置製造担当のタゴーです。
初めての登場なので、簡単に自己紹介をさせて頂きます。
趣味は、自動車。
特に英国のスポーツカーが好きですね。
『ブリティッシュ・ライトウェイトスポーツ』っていうのですが・・・
ということで、話し始めると長くなってしまいますので、本題に戻ります。
製造では、設計変更に対応するために、色々工具を使用しております。
よく使う工具のひとつに、切削用の「ディスクグラインダー」があります。
今日は、その「ディスクグラインダーの放熱性」をテーマに話しを進めたいと思います。

ディスクグラインダーを使っていると、
金属や樹脂の切断時の「熱」の影響が気になります。
ディスクグラインダーは、砥石ディスクの回転運動で加工対象物を切断するため、
どうしても切断時に金属との間で「摩擦熱」が発生してしまいます。
加工対象物が「熱」を持ってしまうと、
切断に時間がかかり、切れ味が悪く感じることがあります。
逆に言えば、砥石ディスクの「放熱性」が良いほうが、
切断に時間がかからず、切れ味良く感じるということです。
さて、高速で回転するディスクグラインダーの砥石ディスクの「放熱性」は
一体どうなっているのでしょうか
熱拡散率を測定して、放熱性を調べてみたいと思います。
熱拡散率を測定する砥石ディスクはこちら。

一般的に市販されているものです。
今回は、裏面が黒いので、黒くないラベル面にだけ黒化処理をして
熱拡散率測定をおこないました。
※ 熱拡散率測定には、サーモウェーブアナライザTAを使用しました。
http://www.bethel-thermal.jp/specification/01/index.html
◇ - ◇ - ◇ - ◇ - ◇
測定結果はこちら
熱物性分布を見たかったので、点測定ではなく、分布測定をおこないました。

(クリックすると拡大表示されます。)
上記画像の左列2段目<点測定情報>を見ると分かりますが、
熱拡散率は、19.9 [×10-6m2s-1] ~ 98.3 [×10-6m2s-1] と
大分ばらつきが大きいようです。
また、中央の分布画像を確認すると、
熱拡散率の低いことを示す青色の部分が、格子模様に見えています。
どうやら、熱拡散率の低い何かが網目状に入っているようです。
では、砥石ディスクの現物を割って、
本当に網目状に何かが入っているのかを確認してみます。


やはり入っていました。
多分ですが、ガラス繊維だと思われます。
測定結果から、
網目状に入っている上記の素材(多分ガラス繊維)の熱拡散率が周りより低く、
放熱の妨げになっていると考えられます。
放熱効果のより良い素材(カーボン繊維など)が使用されれば、
熱拡散率も良くなり、切れ味も鋭くなると思いますが、
そこは、ガラス繊維の方が安価なので、
多少の切れ味の違いであれば・・・ということでしょうか。
(著:タゴー)
初めての登場なので、簡単に自己紹介をさせて頂きます。
趣味は、自動車。
特に英国のスポーツカーが好きですね。
『ブリティッシュ・ライトウェイトスポーツ』っていうのですが・・・
ということで、話し始めると長くなってしまいますので、本題に戻ります。
製造では、設計変更に対応するために、色々工具を使用しております。
よく使う工具のひとつに、切削用の「ディスクグラインダー」があります。
今日は、その「ディスクグラインダーの放熱性」をテーマに話しを進めたいと思います。
グラインダーとは・・・
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC(wiki)
研削砥石(切断砥石を含む)を使用し、その回転運動によって加工物の表面の研削又は切断を行う機械をいう。ディスクの種類を換えることによって、金属の切断、切削、研磨・レンガやブロックの切断、切削・木材の削り、掘り込み等に使用出来る。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC(wiki)
研削砥石(切断砥石を含む)を使用し、その回転運動によって加工物の表面の研削又は切断を行う機械をいう。ディスクの種類を換えることによって、金属の切断、切削、研磨・レンガやブロックの切断、切削・木材の削り、掘り込み等に使用出来る。

ディスクグラインダーを使っていると、
金属や樹脂の切断時の「熱」の影響が気になります。
ディスクグラインダーは、砥石ディスクの回転運動で加工対象物を切断するため、
どうしても切断時に金属との間で「摩擦熱」が発生してしまいます。
加工対象物が「熱」を持ってしまうと、
切断に時間がかかり、切れ味が悪く感じることがあります。
逆に言えば、砥石ディスクの「放熱性」が良いほうが、
切断に時間がかからず、切れ味良く感じるということです。
さて、高速で回転するディスクグラインダーの砥石ディスクの「放熱性」は
一体どうなっているのでしょうか
熱拡散率を測定して、放熱性を調べてみたいと思います。
熱拡散率を測定する砥石ディスクはこちら。

一般的に市販されているものです。
サイズ | 外径105 × 厚み0.8 × 中心孔15 [mm] |
---|---|
粒度 | 60 |
最大周速度 | 80 [m/s] |
用途 | 一般鋼・ステンレス用 |
タイプ | 両面補強型 |
今回は、裏面が黒いので、黒くないラベル面にだけ黒化処理をして
熱拡散率測定をおこないました。
※ 熱拡散率測定には、サーモウェーブアナライザTAを使用しました。
http://www.bethel-thermal.jp/specification/01/index.html
◇ - ◇ - ◇ - ◇ - ◇
測定結果はこちら
熱物性分布を見たかったので、点測定ではなく、分布測定をおこないました。

(クリックすると拡大表示されます。)
上記画像の左列2段目<点測定情報>を見ると分かりますが、
熱拡散率は、19.9 [×10-6m2s-1] ~ 98.3 [×10-6m2s-1] と
大分ばらつきが大きいようです。
また、中央の分布画像を確認すると、
熱拡散率の低いことを示す青色の部分が、格子模様に見えています。
どうやら、熱拡散率の低い何かが網目状に入っているようです。
では、砥石ディスクの現物を割って、
本当に網目状に何かが入っているのかを確認してみます。


やはり入っていました。
多分ですが、ガラス繊維だと思われます。
測定結果から、
網目状に入っている上記の素材(多分ガラス繊維)の熱拡散率が周りより低く、
放熱の妨げになっていると考えられます。
放熱効果のより良い素材(カーボン繊維など)が使用されれば、
熱拡散率も良くなり、切れ味も鋭くなると思いますが、
そこは、ガラス繊維の方が安価なので、
多少の切れ味の違いであれば・・・ということでしょうか。
(著:タゴー)