こんにちは。テツです。

霜月も下旬になり、マスクをした人を多く見かけます。
社内にもちらほら。

私も咽喉の乾燥が気になるので、予防のためマスクをすることがありますが、
サーモマンではないので、決して変身はしません。

今回のテーマは、
『ワイヤー状/繊維状試料(φ0.1mm)の熱拡散率は測定できるか?』です。

実は今回と同じ内容が、以下カタログに既に掲載されています。

【カタログ】 サーモウェーブアナライザTA35/33/32/31
http://www.bethel-thermal.jp/specification/01/pdf/TA.pdf

(7ページ目の「ワイヤー状/繊維状材料」をご覧ください。)


最近、お客様から、
「繊維の測定」について、問い合わせを受けることが多いので、
本ブログであらためて紹介させていただきます。

シャープ芯の熱拡散率測定は、以前サーモマンが紹介しました。

『 ~身近な炭素系材料~ シャープ芯3種の熱拡散率を比較 』
http://blog.thermal-measurement.info/archives/52048038.html
φ0.5mmの試料が測定できることは、サーモマンが実証済みです。



今回用意した試料は、アルミとチタンの2試料。
  1. アルミ (純度 99.99%) φ0.5mm
  2. チタン (純度 99.95%) φ0.1mm

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1. アルミワイヤー (純度99.99%) φ0.5mm


アルミのロールの前に、シャープ芯を置いて撮影。
シャープ芯と同じ太さです。

アルミワイヤー

φ0.5mmの試料は、測定実績があります。
問題なく測定できるはずです。




2. チタンワイヤー (99.95%) φ0.1mm

こちらもチタンロールの前に、シャープ芯をおいて撮影。
φ0.1mmなので、シャープ芯と比較すると大分細いです。

チタンワイヤー

わかり難いので、チタンと同じ太さのモリブデンを
シャープ芯の前に1本置きました。
(決して私の抜け毛ではありません。)

こちらは、測定できるかどうか・・・



このままだと測定が難しいので、
厚紙を使って、専用の冶具を作りました。

冶具に黒化した試料を貼り付けて、準備完了です。

繊維冶具

左がチタンで、右がアルミです。


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さて、測定結果は・・・

測定試料 直径
[mm]
熱拡散率 [ ×10-6m2s-1 ] 文献値
との差
TA実測値 文献値
水平方向 垂直方向
アルミワイヤー 0.5 94.9 測定不可 96.8 ▲1.9%
チタンワイヤー 0.1 9.7 測定不可 9.25 4.8%

※測定には、サーモウェーブアナライザTAを使用しました。
http://www.bethel-thermal.jp/specification/01/index.html



φ0.1mmのチタンでも、水平方向は文献値に近い熱拡散率になりました。

髪の毛ほどの細い試料でも、
きちんと熱拡散率測定できることが分かりました。
※垂直方向はさすがに測定できませんでした。

皆さんの予想はいかがでしたか?


これからも様々な形状の試料の熱物性測定に挑戦していきます。
難形状で測定できるか迷われている方は、ぜひお問い合わせください。
https://secure-link.jp/wf/?c=wf04182198


(著:テツ)