こんにちは。
サーモマンです。
最近は、生体由来材料がいろいろと開発されております。
化石燃料由来の材料の将来を考えると、当然の流れですね。
ですから、熱物性も当然必要になってくるわけです。
今回は、以下の2種類の生体由来材料の熱拡散(伝導)率を測定しました。
◇ ― ◇ ― ◇ ― ◇ ― ◇
まずは、ポリ乳酸延伸フィルムの熱拡散率測定です。
見た目は普通のプラスチックフィルムですね。
(三菱樹脂WEBサイトより)
一軸に延伸した試料なので、
水平方向と垂直方向の違いだけでなく、延伸による影響もあるはずです。
延伸方向をX方向とし、XYZ3方向の測定をおこないます。
※ 測定に使用したのは「サーモウェーブアナライザTA」
http://www.bethel-thermal.jp/specification/01/index.html
測定結果は・・・
■水平(XY)方向と垂直(Z)方向の比較
水平方向に熱伝導率が高く、垂直方向に熱伝導率が低くなっています。
■延伸(X)方向とY方向の比較
水平方向では、Y方向よりも延伸したX方向のほうが熱伝導率が高くなっています。
これは、延伸により分子がX方向に配向したためと考えられます。
◇ ― ◇ ― ◇ ― ◇ ― ◇
続いて、ろ紙の熱拡散率測定をおこないます。
ご存知の通り、ろ紙はセルロースでできています。
今後は植物由来材料の熱伝導率が必要とされるでしょう。
(アドバンテックWEBサイトより)
水平方向と面内方向とで、熱拡散率測定をおこないました。
こちらも測定には「サーモウェーブアナライザTA」を使用しています。
http://www.bethel-thermal.jp/specification/01/index.html
測定結果は・・・
熱伝導率は、垂直方向が 0.10 [W/mK] 、水平方向が 0.88 [W/mK] となりました。
水平方向に熱伝導率が高く、垂直方向に熱伝導率が低くなっています。
これは、水平方向にセルロースの繊維が配向しているためと考えられます。
◇ ― ◇ ― ◇ ― ◇ ― ◇
以上、生体由来の材料もそつなく測定できました。
今回の試料および測定結果は、立教大学様にご提供いただきました。
この場を借りて御礼申し上げます。
(著:サーモマン)
サーモマンです。
最近は、生体由来材料がいろいろと開発されております。
化石燃料由来の材料の将来を考えると、当然の流れですね。
ですから、熱物性も当然必要になってくるわけです。
今回は、以下の2種類の生体由来材料の熱拡散(伝導)率を測定しました。
- ポリ乳酸延伸フィルム
- セルロース(ろ紙)
◇ ― ◇ ― ◇ ― ◇ ― ◇
まずは、ポリ乳酸延伸フィルムの熱拡散率測定です。
ポリ乳酸延伸フィルムは、トウモロコシなどのデンプン由来の乳酸を重合して作られ、
生体適合性・生分解性を持つバイオプラスチックである。
繊維、フィルム、包装、成形品といった幅広い用途に使用される。
繊維、フィルム、包装、成形品といった幅広い用途に使用される。
見た目は普通のプラスチックフィルムですね。
(三菱樹脂WEBサイトより)
一軸に延伸した試料なので、
水平方向と垂直方向の違いだけでなく、延伸による影響もあるはずです。
延伸方向をX方向とし、XYZ3方向の測定をおこないます。
※ 測定に使用したのは「サーモウェーブアナライザTA」
http://www.bethel-thermal.jp/specification/01/index.html
測定結果は・・・
熱拡散率 [×10-6m2s-1] | 熱伝導率 [W/mK] | |||
---|---|---|---|---|
水平方向 | 垂直方向 | 水平方向 | 垂直方向 | |
X軸 (延伸方向) |
0.52 | 0.087 | 0.72 | 0.12 |
Y軸 | 0.27 | 0.37 |
■水平(XY)方向と垂直(Z)方向の比較
水平方向に熱伝導率が高く、垂直方向に熱伝導率が低くなっています。
■延伸(X)方向とY方向の比較
水平方向では、Y方向よりも延伸したX方向のほうが熱伝導率が高くなっています。
これは、延伸により分子がX方向に配向したためと考えられます。
◇ ― ◇ ― ◇ ― ◇ ― ◇
続いて、ろ紙の熱拡散率測定をおこないます。
ご存知の通り、ろ紙はセルロースでできています。
セルロースは、植物細胞の細胞壁および繊維の主成分で、天然の植物質の1/3を占め、地球上で最も多く存在する炭水化物である。繊維素とも呼ばれる。
自然状態においてはヘミセルロースやリグニンと結合して存在するが、綿はそのほとんどがセルロースである。紙・パルプ・衣料用繊維など工業的にも広く利用される。
自然状態においてはヘミセルロースやリグニンと結合して存在するが、綿はそのほとんどがセルロースである。紙・パルプ・衣料用繊維など工業的にも広く利用される。
今後は植物由来材料の熱伝導率が必要とされるでしょう。
(アドバンテックWEBサイトより)
水平方向と面内方向とで、熱拡散率測定をおこないました。
こちらも測定には「サーモウェーブアナライザTA」を使用しています。
http://www.bethel-thermal.jp/specification/01/index.html
測定結果は・・・
熱拡散率 [×10-6m2s-1] | 熱伝導率 [W/mK] | |||
---|---|---|---|---|
水平方向 | 垂直方向 | 水平方向 | 垂直方向 | |
ろ紙 (セルロース) |
1.5 | 0.17 | 0.88 | 0.10 |
熱伝導率は、垂直方向が 0.10 [W/mK] 、水平方向が 0.88 [W/mK] となりました。
水平方向に熱伝導率が高く、垂直方向に熱伝導率が低くなっています。
これは、水平方向にセルロースの繊維が配向しているためと考えられます。
◇ ― ◇ ― ◇ ― ◇ ― ◇
以上、生体由来の材料もそつなく測定できました。
今回の試料および測定結果は、立教大学様にご提供いただきました。
この場を借りて御礼申し上げます。
(著:サーモマン)