こんにちは。テツです。
夏が終わり、このごろ急に寒くなってきました。
私はのどが弱いので、これからの乾燥する季節は苦手です。
のど飴をお供に乗り切りたいと思います。
今回は、「石英ガラスの熱拡散率測定」です。
<参考:石英ガラスとは>
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%B3%E8%8B%B1%E3%82%AC%E3%83%A9%E3%82%B9
ガラスなどを測定しようとすると、レーザ光が試料を透過してしまいます。
このレーザ光がディテクタまで到達してしまうと、悪さをします。
サーモウェーブアナライザTAの測定では、
試料表面でレーザ光を熱に換えて、温度変化を生じさせる必要があります。
そのために試料両面を黒化しています。
黒化していないとレーザ光が透過したり、反射してしまうため、
熱に変換されず、大きなロスになります。
黒化できない試料や黒化により測定値に影響が出るような試料(熱拡散率が高く、薄い試料)では
試料表面に金属膜をつけることがあります。
今回は、レーザ光の透過を防ぐために
石英ガラス表面に金属(モリブデン)膜をスパッタしました。

さらに、グラファイトスプレーで試料の両面を黒化します。

それでは、熱拡散率を測定してみましょう。
※測定には、サーモウェーブアナライザTAを使用しました。
http://www.bethel-thermal.jp/specification/01/index.html
熱拡散率の測定結果は・・・・・
このようになりました。
■ 熱拡散率測定グラフ_厚さ方向

■ 熱拡散率測定グラフ_面内方向

■ 測定結果(熱拡散率)
厚さ方向: 0.79 ×10-6m2s-1
面内方向: 0.83 ×10-6m2s-1
石英ガラスの文献値が 0.85 ×10-6m2s-1 なので、リーズナブルな値となりました。
試料の厚さが1.2mm と厚かったので心配していましたが、安定した信号が得られました。
ちなみに、金属膜がなく黒化膜を薄くつけた場合の測定データはこのように出ます。

このようなデータが出てしまう場合、レーザ光が試料を透過してしまっている可能性大です。
試料表面に金属膜をつけるなどの工夫をしてみてください。
それでも解決しない場合は、私(テツ)までお気軽にお問い合わせください。
https://secure-link.jp/wf/?c=wf04182198
それでは皆さん、風邪などひかず、寒い季節を乗り切りましょう。
(著:テツ)