どうもノグッチャンです。

先日の展示会「エヌプラス2014」でご来場の皆様
ありがとうございました。
http://www.bethel-thermal.jp/event/index.html

知っている方のブース訪問が意外と多くて
「私も顔が広くなったな~」と勘違いしております。


さて、前回で 「黒化膜の影響についての調査シリーズ」 が完結してしまいまして
何を書こうか途方に暮れてたわけですが・・・

偶然にもある会社様から面白い試料を手に入れたので
今回はそれを紹介したいと思います。

漆


これです。
と言っても見ただけでは分かりませんよね。


実は、漆器などに使われたりする「漆」なんです。

漆器

こういった物に使われていますね。

漆器ではありませんが、茨城にも笠間焼きといった有名な陶器が・・・
陶器

と紹介したいのですが、脱線し過ぎるのでやめておきましょう。




測定する前に「漆」の熱伝導率について調べたのですが
「漆」の熱物性の文献というのが無いんですね。

だったら
べテルで測ってやろう
ということで測定してみました。

測定結果_漆


測定結果は、

面内方向の熱拡散率: 0.92 [×10-6m2s-1]
厚さ方向の熱拡散率: 0.30 [×10-6m2s-1]

これに弊社で測定した比熱と密度を掛け合わせると・・・

面内方向の熱伝導率: 1.47 [Wm-1K-1]
厚さ方向の熱伝導率: 0.48 [Wm-1K-1]

といった結果になりました。

熱拡散率 [×10-6m2s-1] 熱伝導率 [Wm-1K-1]
面内方向 0.92 1.47
厚さ方向 0.30 0.48


約3倍ほど熱的に異方性があるようですね。

値から見ると
熱伝導率が高めの樹脂材料や高分子材料に
近い値といったところでしょうか。

ただし
上の方でも書きましたが、文献が見当たらないので
この測定結果が正しいかどうかは不明です。


ということなので、
この測定結果を
信じるか信じないかはあなた次第です。

漆の試料を提供いただいた会社様
ありがとうございました。


(著:ノグッチャン)