こんにちは。
サーモマンです。

身近な炭素材料である
「シャープ芯」の熱拡散率を測定してみました。

小学生のときは、シャープペン禁止でした。
ハイポリマーのCMは印象的でした。

芯の組成は、
◆材料を成型して焼く「焼成芯」
◆材料を油成分などで固める「非焼成芯」
の2通りがあり、現在は、黒鉛と高分子材料を混ぜ合わせてから、
高温で焼成することが多いそうです。
(wiki)



今回は、以下の3種のシャープ芯を準備しました。
―――――――――――――――
1.プラチナ万年筆 「オ・レーヌ」
2.パイロット 「NEOX ENO」
3.ペンテル 「HI・POLYMAR100」
―――――――――――――――
すべて、HB 直径0.5mm 長さ60mmです。

シャープ芯

芯の写真も載せようと思ったのですが、
全部同じに見えたのでやめました。


さて、3種のシャープ芯の熱物性測定をするとどうなるでしょうか?
※ 熱拡散率測定には、いつものようにサーモウェーブアナライザ(TA3)を使用します。


ちなみに、下の画像は新しいサーモウェーブアナライザ(TA35/33/32/31)のチラシです。
興味がある方は、羽鳥までお気軽にお問合せください。
(TEL: 0299-36-0690)

新TA
※ クリックすると拡大表示します。




さて、測定終了です。



測定結果は・・・

No. 測定試料 熱拡散率
[×10-6m2s-1]
1  プラチナ万年筆 「オ・レーヌ」 51
2  パイロット 「NEOX ENO」 48
3  ペンテル 「HI・POLYMAR100」 62

こうなりました。
予想していたよりも、全体的に熱拡散率は高いですね。
金属でいうと、モリブデン(Mo)に近い値です。

0.5mm径の試料の測定値の検証は、まだ十分とは言えませんが、
まずまず信頼性の高い値が得られていると思います。



また、3種の芯を比較すると、
「HI・POLYMAR100」がもっとも高く、他の2種はほぼ同じ値です。
(3 >>>>>>>>>>> 1 >>> 2)

組成のほとんどが炭素だとすると、
(つまり同じ組成だとすると)
3の「HI・POLYMAR100」が緻密と考えられます。

まあ、芯の良し悪しとの関連はわかりませんが・・・。
興味深い結果です。


<結論>
 熱物性を測定することで、
 まったく新しい筆記用具のアイデアが生まれる・・・かもね。


(著:サーモマン)


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