こんにちは。
サーモマンです。

今回は、「光学材料 フッ化カルシウム(CaF2)の熱拡散率測定」です。

■ フッ化カルシウム(別名フローライト、蛍石)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%9B%8D%E7%9F%B3

天文マニアやカメラマニアの人には、おなじみの材料です。

人造結晶が作られるようになってから、
高性能望遠鏡や高性能望遠レンズに使われるようになりました。
色収差という光の波長により、ピントがずれてしまう現象がほとんどなくなります。

■ 色収差
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%89%B2%E5%8F%8E%E5%B7%AE


性能はとても高いのですが、お値段もすごいです。
レンズの直径にもよりますが、普通のレンズを使った望遠鏡の5~10倍くらいでしょうか。

工業的用途では、「集積回路の露光用ステッパー」にも使われるそうです。
(こちらは紫外線の透過性が良いから。)

今回測定したのは、厚さ0.5mm、直径20mmのウィンドウです。

フッ化カルシウムウィンドウ

見た目は単なるガラスに見えます。
でも、ガラスと違い結晶材料です。


例によって黒化処理です。
フッ化カルシウム


<注意!>
フッ化カルシウムは、紫外線から赤外線まで、広い範囲の波長の光を通します。
しっかりと黒化膜を付着させることが必要です。

熱拡散率は比較的低いと思われますので、
厚めに黒化しても大丈夫でしょう。

(熱拡散率の高い材料の場合は、黒化膜が熱拡散率測定にあたえる影響を
無視できなくなりますので、金属膜などを併用しましょう。)



それでは、熱拡散率を測定してみましょう。

今回の測定は、サーモウェーブアナライザTA3を使用しました。
http://www.bethel-thermal.jp/specification/01/index.html

最新のサーモウェーブアナライザTA3は、
自動的に測定条件を見つけてくれるので、測定が簡単です。


熱拡散率の測定が終了しました。
結果は・・・

―――――――――――――――――――――――
フッ化カルシウムの熱拡散率: 3.3~3.6 ×10-6m2s-1
―――――――――――――――――――――――

ガラスだと、 1 ×10-6m2s-1 以下のものが多いので、
比較すると、やはり単結晶ということで高めの値になっています。

光学部品で重要な温度順応にも影響しそうですね。

お問い合わせフォーム

光学材料の測定も、べテルにお任せください。
ご不明な点ご要望などありましたら、お気軽にお問い合わせください。


(著:サーモマン)