こんにちは。テツです。

暑い日があったり、寒い日があったりで
何を着ようか悩む日が続いていますが、
皆様の体調管理は万全ですか。

サーモウェーブアナライザTA3は、試料を周期的に加熱し、
試料の熱物性(熱拡散率)を測定する装置です。

試料によっては、温度依存性があるものもあり、
「温度」は熱物性の大事な要素になっています。

しかしながら、サーモウェーブアナライザTA3には、
温度測定機能がついていません。

お客様から、
「測定部の温度は何度くらいですか?」
と聞かれることも良くあります。

そこで、測定(加熱)を行っているときの
試料温度が何度くらいになっているかの目安を示すため、
加熱点の温度がどうなっているのか調べてみました。

温度測定は加熱点を放射温度計で行います。

◇ 加熱光量: 各試料に最適な加熱光量
◇ 測定場所: 加熱点
◇ 測定方向: 加熱側
◇ 測定装置: 放射温度計TMHK-CS0500-0040H0.7 ジャパンセンサ
          ターゲットサイズはΦ0.7mm

加熱点温度1
図1 放射温度計               

加熱点温度2
図2 温度表示器


測定対象試料として、3試料を用意しました。

◇ グラファイトシート: 厚さ0.1mm
◇ Cu: 厚さ0.5mm
◇ ポリイミドフィルム: 厚さ0.05mm

加熱光とターゲットサイズの関係は、図3のようになります。
白っぽい点が加熱レーザ、
赤い点が放射温度計のターゲット位置および大きさを示すLED照準光です。
比較できるように、照準光をずらしています。



加熱点温度3
図3 加熱点と放射温度計測定点の関係


■ 各試料の測定条件
No.
試料名 加熱光量
[W]
1 グラファイトシート 0.8
2 Cu 0.8
3 ポリイミドフィルム 0.002


■ 測定結果
No.
試料名 測定温度
[℃]
上昇温度
[℃]
1 グラファイトシート 30.6 5.6
2 Cu 30.3 5.3
3 ポリイミドフィルム 38.8 13.8

加熱レーザの集光径が、約 Φ0.15mm であるのに対し、
放射温度計のターゲットサイズは、Φ0.7mm と広く、
測定温度は加熱点の温度より低くなります。

熱の伝わりにくいポリイミドは、より大きな影響を受けています。
実際の加熱点の温度を測定するには、
放射温度計のターゲットサイズを小さくする必要があります。


     ◇ - ◇ - ◇ - ◇ - ◇


皆様のご要望に応えるべく、測定部温度測定機能の搭載を検討しています。
しかしながら、まだ、実装できていませんので、
ご不明な点ご要望などありましたら、お気軽にお問い合わせください。
http://www.bethel-thermal.jp/contact/index.html

テツが頑張って回答いたします。


(著:テツ)