気温36℃の日曜日、
締め切った体育館でバドミントンをやって
意識が飛びそうになったアワノッチです。

前回の記事
(6/10 『赤外カメラを使った温度測定における、熱放射と放射率の関係』)では、
赤外カメラを使った温度測定において、
放射率という値が測定値に影響していることを
ご紹介いたしました。

今回はその放射率に関係する実験を2つ行いました。


<実験1>
ステンレス製の桶の表面の一部に
紙やすりとカッターそれぞれで
傷を付けました。( 画像からはわかりづらいですが…(^_^;) )

006-1


その桶の中に約100℃のお湯を入れて、
赤外カメラで傷を付けた部分を撮影してみました。

結果は、

006-2


傷が付いていない部分、
紙やすりで傷を付けた部分、
カッターで傷を付けた部分、
それぞれの実際の表面温度は同じはずですが、
赤外カメラで撮影した結果は異なる値を示しています。

放射率は
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
傷が付いていない部分 < カッターで傷を付けた部分 < 紙やすりで傷を付けた部分
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
の順で大きくなっています。

このことから、表面状態が異なると放射率が異なることがわかります。
一般に、表面が滑らかなほど、放射率は低くなります。



<実験2>
ステンレス製の桶の表面に様々な色のシールを
桶表面に貼り付けてみました。
ただし、シールは同一の素材(紙)を使用しています。

006-3


このシールの部分を
赤外カメラで撮影しました。

結果は、

006-4


シールの部分は色に関係無く
均一な値になっています。
つまり、可視光でみる色は放射率に無関係であることがわかります。

また、桶とシールでは異なる値になっています。
これは、金属と紙で放射率が異なるからです。



以上、2つの実験から、物体の材質や表面状態が放射率に影響を与え、
可視光でみる色は放射率に影響を与えないことがわかりました。

放射率のことで疑問点がある方は、下記お問い合わせフォームからご連絡ください。
アワノッチがおこたえします。
http://www.bethel-thermal.jp/contact/index.html


(著:アワノッチ)