最近は特に趣味的なものでは、
金属の質感が見直されているようです。
例えば、カメラの世界ですが、
1970年代以前はほとんど金属で作られていましたが
(真鍮やアルミニウムと思います)
1980年代以降のちょうどオートフォーカス化以降から、
プラスチックがどんどん使われるようになりました。
プラスチックは生産性や意匠性の自由度が高く軽量ですので、
カメラの外装材に適してます。
最近の傾向としては、特に中上級機に関しては
ボディにマグネシウムが使われるようになっています。
マグネシウムによる製造技術の発展が大きいのだと思います。
レンズの鏡筒もプラスチック一辺倒ではなくアルミニウム製の物が
多くなってきています。
使う側にとっては金属だと高級感があるのと、
触った感じの質感が良くなります。
表面の仕上げは別として、質感に影響を与えている要素の一つに熱的な特性があります。
材料が変わると温度が同じであっても
冷たく感じるものとそうでないものがあります。
つまり熱が奪われ易いのかどうかという違いで、
これは、熱浸透率で表すことができます。
通常、樹脂よりも金属のほうが熱浸透率が高いので冷たく感じることを考えると、
多分熱浸透率が高い材料の方がより高級感を感じ易いのかもしれません。
ブログでも何度か紹介しておりますが、
当社では熱伝導率の高い樹脂(高熱伝導樹脂)の計測や成形技術に取り組んでおりまして、
高熱伝導性樹脂が本当に高級感を感じやすい素材だとしたら、軽量だが質感の良い素材となるかも。
本当なら高熱伝導性樹脂の新しい付加価値となる可能性があります。
最後にいくつかの材料の熱浸透率を挙げておきます。
アルミニウム 24,000Js^-0.5m^-2K^-1
真鍮(黄銅)の熱浸透率 19,700Js^-0.5m^-2K^-1
↓こんなのは通常真鍮です。
やはり質感は良いです。
マグネシウム(ダイカスト合金) 11,700Js^-0.5m^-2K^-1
高熱伝導性樹脂(50W/mK級) 9,000Js^-0.5m^-2K^-1程度
樹脂(通常)の熱浸透率 700Js^-0.5m^-2K^-1程度
↓こんなのはプラスチックです。
質感は??
私が使っているカメラはプラスチック製外装ですが・・・・
測定依頼は、
株式会社ベテル、下記メールアドレスまでご連絡ください。
k-hatori@bethel.co.jp