ポリイミドは、
Wikipediaによると、
「剛直で強固な構造を持つ。」
「芳香族環が同一平面に配列して分子鎖が互いに密に充填される。」
「高分子中で最高レベルの高い熱的、機械的、化学的性質を持つ。」
高分子です。

見た目はこのような感じです↓
ポリイミドシート例



どのような熱拡散率を持つか興味深いところです。

工業的には、
・電子回路の絶縁基板として使用される。
・電子回路の絶縁層として使用される。
ことが多いようです。

最近は、薄い絶縁層であっても、
装置自体が小型化しているため、
熱抵抗としての影響が無視できなくなってきました。
サーモウエーブアナライザーTAで測定を行いました。

厚み方向と面内方向の熱拡散率
 厚み方向:0.15×10^-6m^2s^-1
 面内方向:0.80×10^-6m^2s^-1
(試料厚み:25μm)

厚み方向と面内方向で1桁近く熱拡散率の差が出た結果となりました。
ポリイミドの構造からある程度予想はできますが、
かなり大きな差です。
面内方向の熱拡散率は、
樹脂としては高い値を示しています。
これは、
デバイスから熱を拡散させる性能が高いことを示しています。

ポリイミドシートからグラファイトシートを製造する方法もあるようですので、
このような熱拡散率が得られたことも納得できます。

当社のサーモウエーブアナライザーTAは、
熱伝導率の異方性がある材料でも、同一ワークで測定できる装置です。
測定依頼は、
株式会社ベテル、下記メールアドレスまでご連絡ください。
k-hatori@bethel.co.jp