近年、LEDを筆頭に、
製品の放熱性が性能に大きく影響を与える
事例が増えてきました。
それに伴い、
放熱性材料の開発競争も激化しています。

その中でもグラファイトシートは、
シートの面内方向に非常に高い熱伝導率を持つ材料で、
銀の5倍の熱伝導率を持つものもあります。

見た目は何の変哲もない黒っぽいシートです。↓
グラファイトシート例


グラファイトシートは、
名前の通りグラファイトを主成分とする材料ですが、
巨大な平面状の結晶が積み重なった構造をしているために、
結晶が並んでいる方向は非常に高い熱伝導性を持ちます。
一方で、
結晶が積み重なっている方向は、
熱伝導率はそれほど高くありません。

工業的には、
・ノートパソコンなどのヒートスポットの緩和
・液晶パネルの温度ムラの解消
等主に電子部品の内部に使われます。

当社のサーモウエーブアナライザーTAで測定しますと、
同一ワークで厚み方向と面内方向の熱伝導率が、
同時に測定できます。

当社で独自に入手した試料の平均的な測定値を
ご紹介します。

面内方向の熱伝導率
 約1000W/mK
厚み方向の熱伝導率
 約5W/mK

    *熱伝導率は熱拡散率の測定値と比熱と密度の文献値から計算。

実に厚み方向と、面内方向で、2桁の熱伝導率の差です。
面内方向はダイヤモンドと同程度、
厚み方向は低めのセラミックスと同等です。


当社のサーモウエーブアナライザーTAは、
熱伝導率の異方性がある材料でも、
同一ワークで測定できる装置です。
測定依頼は、
株式会社ベテル下記お問い合わせフォームからご連絡ください。