どーもノグッチャンです♪
皆さん夏休みはいかがでしたか?
休暇を満喫できたでしょうか?

・・・ってGW明けと同じ質問でしたね(笑)

さて、当社では、
「実際に熱物性測定をしているところが見たい」というお客様のために、
熱拡散率のデモ測定をお見せしております。
デモ測定には、通常は銅(Cu)を使用します。

銅(Cu)を使用している理由は、
◇ 当社の基準試料として、銅(Cu)を採用していること。
◇ 純物質なので、測定が簡単で、測定時間も短縮できること。
があります。

実際に、当社でデモ測定に使用している試料は以下の物です。

基準試料の純銅(Cu)


年季が感じられますね・・・
使い込んでるのが、お分かりになると思います(苦笑)

ところどころ塗布したグラファイトが剥がれてしまい、
銅(Cu)が見えてしまっている部分があります。

デモの際に、この試料を測定しようとすると、
お客様から
「こんな黒化にムラがあって、ちゃんと測定できるの??」
といった質問を、毎回いただきます。

まぁ、この試料を見れば、当然私でも心配して聞くと思います。

ですが、この試料でも問題ありません
きちんと熱拡散率の測定をおこなうことが可能です

・・・というのを、今回は検証していきます。




検証用に新しく作成したのが、以下の試料。
黒化ムラの比較(Cu)


通常使用している試料と同等の銅(Cu)を、
わかりやすくするため、左右で黒化の仕方を変えました。

向かって左半分が「ムラがない部分」で、黒化膜の予想厚みは2~3μm、
右半分が「ムラがある部分」で、黒化膜の予想厚みは1μm未満です。

※ 今回は、分かりやすくする為、わざとムラを大きくしております。

◇ - ◇ - ◇ - ◇ - ◇


測定箇所によって違いがあるかどうかも検証したいので、
今回はランダムで5点の熱拡散率測定をします。
(測定は、サーモウェーブアナライザTAでおこないました。)



さて、測定結果は・・・




試料 黒化
ムラの
有無
試料
厚み
[μm]
測定
方向
熱拡散率 [ ×10-6m2s-1]
1 2 3 4 5 平均 標準偏差 文献値との
比較[%]
有り 607 垂直 115 116 114 119 117 116 1.9 ▲0.7
水平 116 117 119 116 117 117 1.2 0
無し 609 垂直 114 121 120 119 117 118 3.2 1.0
水平 118 118 118 117 118 118 0.4 0.7
※文献値は、熱物性ハンドブックを参照。銅(Cu)の熱拡散率は、117[×10-6m2s-1]


どちらも似たような結果になりましたね。
文献値ともよく一致しています。

ということで、
この試料では、黒化にムラがあっても問題なく測定できることが分かりました。

「黒化膜のムラで、熱拡散率測定の結果はどう変わるか?」の答えは、
(銅に限ってですが、)『変わらない』となりました。


<注意!>
黒化をしっかりしないと、測定信号が弱くなりますので、
黒化膜は、しっかり塗布することをオススメします。

あまり厚く塗布しすぎると、黒化の物性の影響が関わってきますが・・・
(※ 銅(Cu)の場合、黒化膜の厚みを試料厚みの1%以内に抑える必要があります。)

まとめると、『厚すぎない程度に、しっかりと塗布する』ことが重要です。

黒化膜の「厚み」が熱物性測定に与える影響については、
以前のブログで書いていますので、参考までに併せてご覧ください。



<参考URL>
「熱拡散率の測定において、黒化膜があたえる影響を検証する。」
◇ その1 銅(Cu)の場合
◇ その2 タンタル(Ta)の場合
◇ その3 SUSの場合
◇ その4 ポリカーボネート系試料の場合



当社へお越しの際は、ぜひノグッチャンに同じ質問をしてみてください。
目の前で実証いたします


(著:ノグッチャン)