こんにちは。カトちゃんです。

『身近なモノの熱物性を知ろう① スマートフォン編』 ということで、
スマートフォンのカバーを使って、熱拡散率の測定をしてみました!

そもそもなぜ 「スマートフォンのカバー」 なのか?

それは、私がずっと以前から
スマートフォンの熱物性値?に興味を持っていたからです!

2年以上前から、いつか測定してやろうと思っていましたが、
なかなか実験する機械と機会がありませんでした。
※ ダジャレじゃありません・・・


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昔の携帯電話は、連続して使用すると、
バッテリーの部分が、すごく熱くなっっていたような記憶があります。

それに比べて、今の携帯電話(スマートフォン)はあたたかいけれど、
それほど熱くはならない気がします。
不思議です。昔の携帯電話よりもはるかに高機能なのに。

その秘密はどこにあるんでしょうか?


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今回実験に使用するのは、以前使用していた携帯電話(スマートフォン)。

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まずは、ウラ面のカバーをはずして、分解していきます。
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手始めに、このカバーの熱拡散率を測定したいと思います。


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熱拡散率測定の前に、表面の処理をします。

レーザーが透過することは多分ないと思いますが、
念のために、グラファイトスプレーで黒化処理をおこないました。
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上の画像は、黒化後の状態。


このカバーの厚みを計測すると・・・
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 厚み: 1.073mm
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熱拡散率を測定するには、ちょっと厚すぎるかもしれません。

でも、どうしてもこのままの状態で測りたいので
(無謀だと怒られる事を覚悟し、) このまま続行します!




ということで、準備完了です。


さっそく、サーモウェーブアナライザTA3を使って
熱拡散率の測定実験に移りたいと思います。





測定開始。
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NewTA3
測定中…

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測定終了!





熱拡散率の測定結果は・・・

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厚さ方向 : 0.07 [×10-6m2s-1]
面内方向 : 測定不可
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・・・・・・。

厚さ方向は測定できましたが、
面内方向はやはり測定できませんでした。

試料が厚すぎたことが原因だと思われます。

熱拡散率の低い素材だったために、
サーモウェーブアナライザTA3では、信号を検出できなかったようです。

当初は、厚さ方向の熱拡散率も、もう少し高い値が出ると予想していました。


今回は、残念ながらスマートフォンの秘密に辿りつくことはできませんでした。

このままでは終われないので、今後はこの実験を継続して進めます。

◇ カバーを薄くして再測定する。
◇ スマートフォンをさらに分解して他の部品も測定してみる。
◇ ほかの理由を探る。(低電圧・低電力化)

など、色々な方法が考えられますが、
まずは、カバーの熱拡散率を何とか評価するところから始めようと思います。

以上、実験を失敗してしまったカトちゃんの決意表明でした。
(羽鳥先生、ごめんなさい。)



(著:カトちゃん)