こんにちは。
サーモマンです。

新しい年になりましたが、
今年も頑張っていきたいですね。

新年最初の記事は、
超硬カッターナイフの刃の熱拡散率です。

ある材料をカットする必要がありまして、
特殊なカッターナイフの刃を入手しました。
「所詮、カッターナイフだから大して変わらないだろう。」
と思っていたら見事に裏切られました。
すごい切れ味です。
超硬(タングステンカーバイド系合金)でできているようです。

CA3G0250


こちらがそのカッターナイフの刃です。
厚みは0.5mm程度です。
硬い分もろいので盛大におっかいちゃってます。
高かったのですが・・・・。ごめんなさい。

さて、熱拡散率ですが
厚み方向が23.6X10^-6m^2s^-1
面内方向が24.1X10^-6m^2s^-1
でした。
サーモウェーブアナライザで測定しました。
厚み方向と面内方向で有意な差はありません。
(異方性のない試料なので当然ですね。)

文献値は、10.1~42.5X10^-6m^2s^-1ということで
文献値の範囲内に入っていますね。
(熱物性ハンドブックP263のWCの項目より計算)


次は普通のカッターナイフの刃です。

CA3G0251

さて、熱拡散率ですが
厚み方向が7.1X10^-6m^2s^-1
面内方向が7.1X10^-6m^2s^-1
でした。

多分鋼と思いますが、材質の詳細は不明です。
(鋼は組成で大きく熱拡散率が変わるようです。)

今回も感じましたが、やはりTAはとても簡単で便利です。
カッターナイフの刃の形で黒化するだけで測定できるのですから。

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