こんにちは。
サーモマンです。

材料に様々な性能が求められる中、
複合材料が使われる場面がますます多くなっています。

たとえばボーイング787に、
CFRP(炭素繊維強化樹脂)が使われているのは
有名なお話です。

当社の別部署で、プラスチックの射出成形を行っておりますが、
熱伝導性を高めるために、
樹脂にフィラーが入っていたりします。

これも複合材料↓
sIMGP0716


こういった類の試料では、
いくつか測定時に注意することがあります。
今回はそのうち2点を紹介しましょう。

1点目
複数の材料が混ざり合った材料ですから、
混ざり具合に粗密が発生します。

どんな材料でも多かれ少なかれ、
場所による分布が発生するわけです。

特に空間分解能が高い測定方法では、
測定結果にばらつきが生じ、
あたかも測定方法や測定装置に起因する
ばらつきと誤解される可能性があります。

従って、測定装置の空間分解能と
材料内のばらつきをそれぞれ把握して
判断を下さなければなりません。


2点目
試料の切り出し方の問題です。
これらの複合材料は切断しにくいものが多くなります。

切断しにくいため、場所により厚みの差が生じることがあります。
当然場所によって厚みが違うと計測される熱拡散率には
違いが生じてきます。

特に、熱拡散率や熱伝導率などの
熱輸送係数に関しては、厚みのパラメーターは
直接測定結果に効いてきます。


今後も、熱物性測定の注意が必要な点、
勘所をお伝えしていきたいと思います。

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