ポリイミドは、以前もご紹介しましたが
電子回路の絶縁基板として使用されたり、
電子回路の絶縁層として使用される樹脂材料です。

以前は、試料厚み25μmのものを測定しましたが、
今回はサーモウエーブアナライザーTA
厚み7.5μmの、厚み方向の熱拡散率を測定してみました。

ポリイミド


同じポリイミドシートですが、
熱的には、大きな違いがあります。
熱拡散時間という尺度で比較すると、
10倍近い差があります。
(薄いほうが1/10の時間で熱が拡散します。)

面内の測定であれば加熱点と検出点の距離が取れますので、
時間分解能に関しては比較的容易といえますが、
厚み方向の測定に関しては高速な温度変化を検出する必要があるので、
装置の基本性能が効いてきます。
(従来の測定方法ではそもそも測定自体困難です。)

また、厚み7.5μmとなると、表面の黒化処理分の
熱的な影響も無視できなくなりますので試料調整と測定時に工夫をして影響が
小さくなるような工夫をしております。
測定結果は下記のとおりです。

厚み方向の熱拡散率
 0.103×10^-6m^2s^-1

厚み25μmのポリイミドと比べると30%程低い値となっています。

サーモウエーブアナライザーTA3は薄い試料でも測定できる、
熱拡散率測定装置です。
測定依頼は、株式会社ベテル、下記メールアドレスまでご連絡ください。
k-hatori@bethel.co.jp