久しぶりの更新ですが、
皆様いかがお過ごしでしょうか?

本日は紙の熱拡散率評価結果です。

レーザープリンタやコピー機に使われているトナーでは、
熱を使って定着させています。
高速に印刷してなおかつ熱をしっかりかける。
速度と熱はそれぞれトレードオフの関係になります。

トナーにかけた熱は紙に拡散していきますので当然、
紙の熱的性質に依存して温度の変化する速度が変わってくるでしょう。
定着させる相手である紙の熱的性質は非常に重要と思いますが、
意外と語られることが少ないように思います。


DSC01861

今回は、コピー紙、フォトペーパー、無塵紙(王子特殊紙製)を測定しました。

注意点としては、紙は繊維からできていて表面積が非常に大きいこと。
本当の意味での熱拡散率とは違うかもしれませんので、
見かけの熱拡散率として表現いたします。
なお、今回の測定に際しては試料に一切の加工を施しておりません。

コピー紙     見かけの熱拡散率:0.84×10^-6m^-2s^-1
フォトペーパー  見かけの熱拡散率:0.83×10^-6m^-2s^-1
無塵紙       見かけの熱拡散率:8.5×10^-6m^-2s^-1

コピー紙、フォトペーパーはほとんど同じ値で、
無塵紙は10倍ほど高い値です。

無塵紙のみほかの紙とは違う材質か製法であることが予想されますし、
印刷に於いてはほかの紙と違う挙動を示しそうです。
これは興味深い結果です!!

当社のサーモウエーブアナライザーTAは、
シート状材料の熱拡散率が容易に測定できる装置です。
測定依頼、個別のご相談も賜っておりますので、お気軽にご相談ください。
株式会社ベテル、下記メールアドレスまでご連絡をお願いいたします。
k-hatori@bethel.co.jp