SiC(シリコンカーバイト:炭化ケイ素)というキーワードを最近よく耳にする機会が多くなってきました。
つい2年くらい前から弊社にはSiCの測定依頼がありましたが、まだその際には研究開発段階で量産化に向けた研究の真っ最中の時期でした。
それが、つい2年前の話し。

いまや量産化技術が確立され、様々な分野で使われ始めています。
ものすごい開発スピードです。

熱物性的なSiCの特長としては、ダイヤモンドの弟分的な高い熱伝導性を持つ物質とされています。
熱伝導率は、およそ100~350[W/mK]。

用途としては、wikipediaから参照しますと
・研磨材、耐火煉瓦の原料、鋳鉄への加炭加ケイ素剤、などに大量に使われる。鋳鉄用は低純度品である。
・電気素子の素材としては、発熱体、アレスタ、バリスタなどに長く使われてきた。シリコンに比べてバンドギャップが大きい事から、高温、高線量下で利用できる半導体材料として注目され、1980年代以降の結晶成長技術の発展にともない、青色発光ダイオード、高速ショットキーバリアダイオード、MOSFET(電界効果トランジスタ)、などに使われるようになった。熱伝導率が高いので、他の半導体の基板としても重宝がられている。
・ファインセラミックス、エンジニアリングセラミックスとしての用途も、開けている。金型プレス成形、静水圧成形、射出成形、スリップキャスト成形、押出成形、などの成型法、反応焼結、常圧焼結、加圧焼結、再焼結などの焼結法が行われている。
・近年、ディーゼル車の排出する煤塵の集塵用フィルター(DPF)材料としての用途が急拡大されている。
と多岐にわたります。
パワーデバイス半導体としては、今まさにたくさんの期待と注目が寄せられているものではないでしょうか?

今回の測定事例紹介は6H-SiCです。
SiC

当社のサーモウエーブアナライザーTAで測定しますと、

熱伝導率(当社で独自に入手した試料の平均的な測定値をご紹介しています)

 約350W/mK

   *熱伝導率は熱拡散率の測定値と比熱と密度の文献値から計算。

これ以外にも結晶構造の違う4H-SiC、6H-SiCの測定事例があります。
結晶構造の違いに依るものなのか、または製造手法、製造ロットによる違いなのかは分かりませんが、弊社で測定した結果では、今回ご紹介する測定値よりも高い数値と若干のバラツキを確認しております。(詳細は守秘義務契約上お知らせできませんが・・・)


当社のサーモウエーブアナライザーTAは、
熱伝導率の異方性がある材料でも、同一ワークで測定できる装置です。
測定依頼は、
株式会社ベテル、下記メールアドレスまでご連絡ください。
k-hatori@bethel.co.jp